面接の基本5 内的対処法②
職場でミスをしてしまった際に、「自分はもうだめな人間だ」と落ち込んでしまう方と、「もう二度とミスをしないように気をつけよう」と失敗をバネに捉える方がいます。
前者は嫌なストレスを受けることになりますし、後者は心地よいストレスを受けることになります。
このような捉え方の違いは内的対処能力の中の「有意味感」という感覚の差から生じてきます。
「有意味感」とは、どんなに辛いことに対しても意味を見いだせる感覚のことを言います。
この力には幼少期の生育環境が大きく影響していると言われています。
例えば小さい頃に母親の洗い物のお手伝いをしていて、食器を割ってしまったとしましょう。このときに母親から「○○ちゃん、怪我はない?お手伝いしてくれることにお母さんは感謝しているわ」と手伝ってくれたことへの感謝を伝える母親と、「もう、余計な仕事を増やしちゃって。あっちに行ってなさい」と叱る母親がいたとします。
前者の場合、次の日からもお手伝いをやめることなく、どうやったら食器を割らないでお手伝いができるのかを考えるようになりますが、後者の場合はお手伝いをすることはかなりのストレスと感じるようになります。
このように同じ行為でも、それに対する捉え方の癖が幼少期の体験を元に形成されていくのです。
つまり、この捉え方の癖を矯正することが有意味感を鍛えることになるのです。ストレスに弱い、何に対してもネガティブに考えてしまうと感じる方には、小さな目標設定をするトレーニングが有効です。特にカウンセリングの場面では小さな目標設定は効果的です。
例えば、今年の大きな目標を「社内昇格試験に合格すること」としたとしましょう。そのためには「先輩から情報収集をする」、「勉強に必要な時間を確保する」、「必要な参考書をやり終える」など様々な小さな目標が想定されるでしょう。
目標を大きく捉えてしまうと、それが達成されなかったときに全てが失敗に感じられてしまいます。
しかし、小さな目標を定めておけば、できた部分に関しては成功体験として認識され、できなかった部分に関しては次回以降のモチベーションにもつながります。
小さな目標の設定はキャリアコンサルティングの場面でも活用できます。
目標の設定をしたものの方策が見つからない。目標自体のハードルが高すぎる。
そんな時は目標を小さな目標に細分化します。そして小さな目標に対して方策を提案していきます。
目標を設定するまでの段階は難なくクリアできたのに、目標設定後の方策の提案がうまくいかない、いい方策が見つからない、そんな時は、目標の設定が適切だったか確認します。
目標を検証し、目標をいくつかの小さな目標に細分化できないかクライアントと考えます。
最初に設定した目標が間違っていなければ細分化できるでしょう。
細分化を検討してもうまくいかない場合は、一つ戻って目標の設定をもう一度考えることになります。
小さな目標を設定する。
活用してください。