キャリアコンサルタント面接試験合格への近道

キャリアコンサルタント面接試験合格のポイントを解説します。特に面接が苦手な方、合格に自信がない方は是非実践して合格を勝ち取ってください。

面接の基本6 内的対処法③

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人間は自分の予期せぬ状態が起きたときにストレスを感じる生き物であると言われています。例えば、同じ人事異動でも、予定通りの異動であれば容易に受け入れることが出来るのに、予想していない状態での異動には大きなストレスを覚えます。
実はここにも人間の持つ大きな癖が影響しているのです。人間は様々な経験を元に自分の中に自分だけのルールを定める癖があるのです。

よく人は年をとると頑固になるとか頭が固くなると言われますが、まさにこの人間の癖を象徴していると言えるでしょう。
もちろんこの癖は、経験則という貴重な能力ですが、時にストレスに対する弱さを生むことになるのです。つまりこの経験則が、「~であるべきだ」とか「~に違いない」と予測される状況を決めつけてしまうのです。

例えば職場でも「上司の誘いは断るべきではない」というルールを持っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。そのようなルールを持っている人が、部下を誘ったところ「今日は用事がありますから。ごめんなさい」と断られると、何で上司である自分の誘いを断るのだろうと憤慨、困惑しストレスの原因となるのです。

しかし、上司の誘いは断るべきではないというのは自分の中の勝手なルールであり、個人主義の人から見れば何ら問題のない行為なのです。
このように人は年を重ねる毎に、経験という財産と引き替えに頭の柔軟性を失っていくのです。

頭の柔軟性を鍛える簡単な訓練は、ノートに思いつく限りの自分のルールを書いてみるといいです。「挨拶は部下からするものだ」、「ビジネスマンは日経新聞を読む」など何でも結構です。その中で、法律や職場のルールで決まっているものには○をつけてください。つまり○が付かなかったものは、別に破っても何の罰則も受けることのない自分だけのルールなのです。その自分だけのルールを破ってみることが訓練なのです。

 

さて、カウンセリングの中でもこの柔軟性が鍵となることは多いものです。「~であるべきだ」とか「~に違いない」と決めつけてしまい自分自身を追い込んでいたり、また、選択肢を狭めていることにコンサルタントが気づくことがあります。

そんな時は、クライアントがそう思う、そう考える理由を丁寧に聞いてみます。次に本当にそうなのかを検証してみます。

質問の例として、「~であるべきだ」とか「~に違いない」と思うことを破ってみるとどうなるのか具体的に聞いてみてもいいでしょう。

クライアントが思い込みに気がつけば、クライアントにとって有益な考えに修正します。修正した新しい考えに基づいて方策の提案も可能です。

 例えば、経験がないから希望の職種に就くことができない、というクライアントに対しては、どうしてそう思うのか聞いてみます。単に経験がないからなのか、それとも経験がない以外に理由があるのかも確認します。

単に経験がないとの理由の場合は、本当に経験がないと難しいか考えてみます。よくあるのが、経験がないので不安だという場合があります。

その場合は、実際に体験できる方法はないか、職業体験できるものがないか考えます。新卒、第2新卒のクライアントでしたらインターンシップの提案は大事な選択肢です。適当な職業体験がない場合は、その仕事をしている人にインタビューするなど、周りに適当な人を探すのも一つの方法です。それも難しい場合は、その仕事に関する情報を書籍、インターネット等で調べることを課題にしてもいいでしょう。

そしてその後はわわかったこと、感想等を聞きます。そうすることで仕事が身近になり、当初抱いていた不安が緩和され、当初の否定的考えも改善されることが期待できます。

このほかにも相談場面での思い込み、決めつけは数多くあります。

非正規だから正社員になれない。

年齢的に新しい仕事に挑戦できない、など。

このように頭の柔軟性を磨くことが問題解決のきっかけになることは多いと言えます。コンサルタントはクライアントの思い込みに注意して話を聞くことが大事です。

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