面接で必ず使えるスキル5
本日は前回から引き続いて傾聴段階での困った時の一言についてお話します。
本場の面接試験において、クライアント役の方は事前にクライアントのプロフィールや相談背景について細かい情報を頭に入れて本番に臨んでいます。面接試験後の受験者の感想で、あまり話したがらないクライアントだった、クライアントが反発して困惑したなど、困った状況を打開するのに苦労した話を聞きます。
それが事前の台本に沿ったものなのか、面接試験本番の中でクライアントがそのように感じて演じたのかはわかりませんが、好意的にドンドン話してくれるクライアントばかりではないようですから、予想される困った状況についてしっかり準備する必要があります。
ということで、本日は、傾聴、主訴の明確後、キャリアコンサルタントが質問により状況を確認し、問題を把握する段階での困ったときの一言についてお話します。
クライアントの主訴を確認しひと息ついたあと、次は問題を把握して目標設定に向かうため、さまざまな質問をしていきます。その中で質問が本質からずれてしまったり、その気はないのにクライアントを不快にさせる場面も十分あり得ます。
早速対話例を見てみましょう。
「それがわからないからここに来ているんですよ」と言われた場合
「そこがわからないのですよね。失礼しました。では違う角度で考えてみたいと思います。」
直前のキャリアコンサルタントの問いかけに対して気分を害したものと思われます。問いかけの内容の是非はここでは一旦置いて、クライアントが気分を悪くした点については素直に「失礼しました。」と伝えましょう。ただし、質問が間違っていたとは言っていません。
「じゃあ、どう思うのですか、教えてください」と言われた場合
「うーん、なかなか難しいですね。ではもう少し全体を把握してから考えるでもよいですか?」とかわすのがいいでしょう。
まともに受けて、キャリアコンサルタントの思うことを話すのは望ましくありません。自己開示でキャリアコンサルタントの経験などを話すことはありますが、ここはオーソドックスな応対がベストです。今回の例を参考に自分にあったセリフを考えてください。
「そんな質問、答えられません!」と少し怒って言われた場合
「はい、それは失礼しました。お話しし難いことは、お答えいただかなくても結構ですよ」と丁寧に言う。
キャリアコンサルタントの質問に対して気分を害したのですから素直に「失礼しました。」と伝えて、答えたくない気持ちを丁寧にくみ取りましょう。
今回の困ったときの応答は似たような状況で応用できると思います。面接のセリフと考えて練習してみてください。
ロールプレイでは常に今自分はキャリアコンサルティングプロセスのどの段階にいるのかを考えてクライアントの話を聴くことが重要です。さまざまなケースの応答を理解して練習する。その繰り返しが面接対策の近道です。