一人でできる面接対策2 傾聴技法
皆さん、こんにちは。
早速前回の続き、こう終わっていました。
さて、クライアントの背景が全くわからないとして、あなたならこの後どう面接を展開していきますか。
CL:新しい職場では新たに覚えることが多くて、転職活動する時間がありません。いっそのこと退社して転職に集中するべきだと思います。中途半端では何も進まないと思いますし・・・
面接におけるこのクライアントとのやりとりは他には書かれていませんので、まだ面接初期の導入段階にいるものとして考えましょう。
このクライアントの発言からわかることを挙げてみましょう。
・新しい職場に異動して間もない。
・転職を考えているが時間がない。
・退職することを考えている。
・退職して転職活動を本格化させる。
次にこのクライアントの発言の背景にあるものは何でしょう。ここでは推測されるものを挙げてみます。推測ですから正しいかどうかはわかりません。しかし、コンサルタントはクライアントが話すことそのもののほかに、クライアントの話の背景にあるもの、それはクライアントが気づいてる場合もあれば気づいていない場合もありますが、コンサルタントはそれらを推測し、面接の展開を考えることが求められます。このクライアントの発言の背景にあるものをいくつか挙げてみます。
・新しい職場に馴染めていない。
・ストレスで仕事以外のことも手につかない。
・退職することで仕事のストレスを解決しようとしている。
・転職よりも新しい職場のストレスを解決したい。
面接前半のポイントは、クライアントの信頼を得ることです。もう一つはクライアントの話の背景にあるものを理解することです。
前者はこのすぐあとの展開、導入後の傾聴段階での目標になります。傾聴技法は面接試験では必須、そのポイントをお話します。
この傾聴段階ではクライアントの話を積極的な傾聴により聞いていきます。そして、自分のことを真剣に聞いてくれる人と思ってもらうこと(信頼を得ること)が大事です。
傾聴時の技法について少し具体的にお話ししましょう。
相槌は、はい、うん、ええ、など短く、単語の繰り返しが基本となります。
傾聴段階では、来談の理由を詳細に聞くわけですから、話の主導はクライアントになります。ですから、相槌はクライアントの話にかぶせて行うので、軽くタイミングよくが基本です。
また、短い単語の繰り返しは、感情表現は漏らすことなく必ず、キーワードに対して行います。短い繰り返しは相槌の単語版です。ですからかぶせてタイミングよくです。その時の意味合いは、コンサルタント自身が理解しましたよ・・・と、クライアントの伝える感じになります。
この段階ではクライアントの言ったことの要約は難しいです。切れ目がなかったり、無理に入れると不自然になってしまいます。だからここでは単語の繰り返しは大変有効なのです。
さて、積極的な傾聴によりクライアントの話を聴いていると、クライアントがある程度話し終わる間が来ます。多くの場合、沈黙があることが多いと思います。沈黙は10秒程度待って、主訴の確認に入ります。ですから沈黙が来ても慌てない。その時のやり取りです。
CL:・・・沈黙
CC:今日のご相談は今のことでよろしいでしょうか?
CL:はい、今お話した感じです。
CC:では、今日のご相談は・・・、と言ってクライアントの話したことを要約して主訴の確認をします。
傾聴段階の基本技法の出来、不出来は、主訴の確認以降に影響を与えます。
今日お話したことは練習してマスターしてください。
私はテレビで話す人をクライアントに見立てて練習していました。
相槌、単語の繰り返しのタイミングを身体で覚えるには最適です。
是非お試しください。
次回は、主訴の確認でも登場する要約についてお話します。