面接試験で困った時どうします?
前回は傾聴段階の応答の基本についてお話しました。積極的な傾聴によりクライアントから信頼を得るための技法を説明しました。
この傾聴段階でクライアントが本日の相談についてある程度整理して話してくれればいいですが、クライアントによっては対応に困る場合もあり得ます。そのような困った場合、本番で臨機応変な対応が出来ればいいですが、うまく切り抜けられないと、面接を立て直すことが難しくなり、不満足な結果に終わってしまう可能性も十分にあります。
傾聴段階で考えられる困った場面を想定して準備することが合格するためには重要になります。恐らく準備していないと慌てて言ってはいけないことをつい話してしまい、その後すぐにそのことに気づくのは悪くないですが、焦って以降のセッションが台無しになる。そうならないためにも困った場面を想定するのはとても有効です。代表的な困った場面の対応を紹介します。
<話さない相手、間が持たない場合>
焦らずじっくり構えてから以下のように応える。
「どうぞゆっくりお話ください。」
「少し詳しくお聞かせいただけますか?」
「その時どう感じました?」
「それから?」
「お気持ち話すのは難しいですよね。」
「いいんですよ。」
「大丈夫ですよ。」など、クライアントを気遣う言葉が有効です。
<切れ目なく話して、そろそろ主訴の確認をしたい場合>
話の流れを止めるのは気が引けますが、一旦整理したほうがいいかよくわからない時はどうするといいでしょうか。その目安は、それまでの話の内容から今日の相談が理解でき、クライアントにフィードバックして、話を次の段階に展開したほうがいいと思えるかどうかです。
クライアントが相談内容を整理できていない、考えながら話しているなど、クライアントの相談内容がまだ具体的になっていない場合は話を続けてもらってください。
それでも15分の制限時間があります。時間が半分くらいは過ぎているがクライアントが相談内容を整理できていない場合は、一度それまでの話を要約してみてください。要約がクライアントの主訴と一致していれば、ほかに相談したいことがないか確認してください。要約がクライアントの主訴とずれている場合は、クライアントが話し始めれば傾聴を続ける、少し考えこんだ時は、本日前半で紹介した<話さない相手、間が持たない場合>を参考にしてください。
さて、主訴の確認をする場合の一言の例です。
「よく分かりました。なお、今日は初回面談15分なので、ここで少し整理させていただいてよろしいでしょうか?」と、話を戻すといいでしょう。
この例は、主訴の確認以外にも応用すれことができます。話が脱線したり、話が終わらない時などに使うことができます。
困った場面など、具体的な場面を整理して、セリフとして覚える。そして、ロールプレイで実践練習する。この繰り返しが合格につながります。
国家試験まであとわずかです。頑張りましょう。