傾聴のポイント
キャリアカウンセリングプロセスは、導入→傾聴→主訴の確認→問題の把握→問題設定→方策の提案と続きます。とは言っても、本番の面接は15分ですから、実際は終わりまでいくことはほとんどないと考えられます。そうするとプロセスの前半は重要ですし、より力を入れる箇所となります。
以前導入段階についての話をしました。ここではラポール、例えば名前を呼ぶことで距離を縮めて安心感を与えらなど、導入はある程度決まった型になりますので、事前に自分のセリフを作り、暗記するくらい練習してください。面接試験はかなり緊張します。導入がすんなりいくとその後の面接はいい流れに乗らことができます。
CC:今日はどのようなご相談ですか
さて、このセリフで傾聴が始まりますが、この傾聴段階全体のポイントは、積極的な傾聴によりCLから信頼(自分のことを真剣に聞いてくれる人)を得ることですから、相槌(はい、ええ、うん)、単語の繰り返しが基本になります。これらは、CLの話にかぶせて行いますので、軽くタイミングよくがポイントです。
短い繰り返し(単語の繰り返し)は、①感情表現は必ず、②キーワードに対して、短い繰り返しは、相槌の単語版と考えます。だから、かぶせてタイミングよく。また意味合いは、CC自身が理解しましたよ・・・と、CLに伝える感じです。CLの話したことの要約は難しいです。切れ間がなかったり、無理に入れると不自然になることがよくあります。だから単語の繰り返しは大変有効です。
かぶせてタイミングよくやりとりを行わず、
CLが一文話し終わると、CCが話を引き取り、・・・・・ですね、と丁寧に応答し、次にCLが続きを話す流れは、CLがなかなか話さない場合などには有効ですが、CLが相談ごとを一つひとつ話しているときは話の腰を折ることにつながりかねません。会話の流れを遮らないよう上記の傾聴技法を基本にすると自然でいいと思います。
一見簡単に思われますが、短い繰り返しをかぶせるのはタイミング、慣れも必要です。自然な応答になるよう練習が欠かせません。ロールプレイではその点を意識して実践し、CL役に話し易かったか、フィードバックをもらうといいでしょう。