面接で必ず使えるスキル2
前回から引き続いて面接の基本についてお話します。
キャリアコンサルティングプロセスは概ね次の段階で進みます。
導入→傾聴→主訴の確認→質問により状況を確認し、問題を把握する→目標設定と方策の提案→エピローグ次へのつなぎ
面接では、それぞれの段階を意識して進めていきます。そして段階段階で要約するなどして区切りを入れるといいと思います。
例えば、傾聴段階でクライアントがひと通り本日の相談について話したとわかるタイミングがあります。クライアントが話し終わった表情をする、沈黙するなど。
それに対してキャリアコンサルタントはただ聞いているだけではよくありません。
次のような応答が考えられます。
CL:ひと通り話し終わる。
CL:沈黙
CC:沈黙は5秒から10秒程度待つ。
CC:・・・・・、そうすると
CC:今日のご相談、今お話しいただいた内容でよろしいでしょうか。
→相談の話が終わったか確認を入れる。ここでタイミングがとれます。
CL:はい、こんな状態で、これからどうしたらいいかと思って・・・
CC:では、今日のご相談は・・・・・
→このことばで主訴の確認をすることを明言します。
このあとは、傾聴段階でクライアントが話した内容を要約します。
要約の注意点は以下となります。
クライアントが言った感情表現は必ず、また話のキーワードとなることばも必ず入れてください。
クライアントの使ったことばはそのまま使います。
例えば、友達と言ったのに仲間と言うなどがこれにあたります。これは要注意です。
そして要約が終わったら要約しっ放しではなく、必ず要約が間違えていないか必ず確認してください。また、クライアントの中には、要約を聞いて話し忘れたことに気づいて追加で話し始めることもあります。その場合は、それもそのまま受け入れてください。
CC:要約・・・ということでよろしいでしょうか?
CL:はいそうです。(いや、これもあります・・・)
CC:よくわかりました。
主訴の確認は以上です。
この主訴の確認が完了しましたら、次の段階に入っていきます。
上記はあくまで一例です。
本番では同じようにはいかないこともありますが、逐語記録などを活用して基本の形を身につけることが重要です。コンサルタント、クライアント双方の一般的、模範的なやりとりをいわゆるセリフと考えて全て暗記するくらい徹底的に見るといいです。
面接対策の基本はロールプレイです。しかしロールプレイには欠点があります。それは、相手が必要で、一人でできないというところです。相手がいない時は面接対策は出来ないのでしようか。
そんなことはありません。逐語記録を利用すれば、いつでもどこでも面接対策、面接力強化に取り組めます。キャリアカウンセリングの導入から終結までの逐語記録でいろいろなことができます。
1 カウンセリングプロセスの全体の理解
2 クライアント、コンサルタントの1つひとつの会話の理解
1で森を見て、2で木を見る学習です。
逐語記録はまずは1ケースあればいいと思います。その逐語記録を徹底して学び、ロールプレイでは、今カウンセリングプロセスのどのあたりか考えながら進めると確実に力になります。そうすることで、自分自身で自分自身を俯瞰できるようになり、何よりも15分間の面接試験を余裕を持って進められるところが最大の収穫となるでしょう。
次回も面接の基本についてお話します。