一人でできる面接対策5
皆さんこんにちは。
本日は先週の続きです。前回簡単な会話例と3つ問題を出していました。
1 コンサルタントの応答について、どう思いますか。
2 このあとコンサルタントは何と話せばいいでしょうか。
3 このやりとりを修正できればどこをどう修正しますか。
それでは、質問1についてです。
つい立だけで囲っただけの授乳室の話をした後のコンサルタントの応答はコンサルタントの感想、勝手な思い込みの感があります。面接の逐語訳だけですので、その時のクライアントの表情、動作は一切わかりません。その時、クライアントがビックリした動作をしたかもしれませんが、この逐語訳だけで考えると、「びっくりしたんですね」は、コンサルタントの思い込みと言えるでしょう。コンサルタントがびっくりしたのではないでしょうか。
カウンセリングはクライアントの話す事柄、感情、気持ち、考えなどをカウンセラー(キャリアコンサルタント)が伝え返すことで、クライアントが自分自身を整理、理解できるようになることです。ですからコンサルタントの意見、考え、解釈を話すことは原則としてありません。面接は終始、クライアントの話す事柄、クライアントの気持ちを伝え返すことです。特に国家試験15分ではそれ以上の技法を駆使することはほとんどないと思います。基本技法を徹底的に練習しましょう。なお、質問は事柄や気持ち明らかにするために必要な基本技法の一つです。
質問2についてです。
コンサルタントは唐突に否定された気がして焦りましたが、気を取り直して続けました。
CC:失礼しました。その時のお気持ちをお聞かせいただけますか。
CL:本当に恥ずかしかったんですよ。
CC:恥ずかしかったんですね。つい立で囲っただけでしたよね。
CL:そうなんです。
まず、コンサルタントは思い込みをしていましたから最初に「失礼しました」と断って始めるのがいいと思います。そして素直に「その時のお気持ちをお聞かせいただけますか」と質問技法によって明らかにしようとしています。質問によりクライアント自らがその時の気持ちを話す展開になりコンサルタントの間違いは修正されました。
ここで質問についてお話します。
クライアントの話を聞く中で、?と思うことがあるとどうしますか?
これからその?について話すのかなと見過ごし、結局?は解消されないまま話が展開してしまったという経験はありませんか。
疑問に思うことは原則として聞いたほうがいいと思います。クライアントがどんどん話す間はタイミングを見計らって聞いてください。
疑問に思い、すぐに聞くことができればいいですが、話してが展開したときは、タイミングをみてこう言ったらどうでしょうか。
CC:先程◯◯◯とお話になりましたが、もう少し具体的にお話いただけますか。
本当によく分からなかった場合はこう話してはどうでしょう。
CC:先程◯◯◯とお話になりましたが、申し訳ありませんが、よく理解ができませんでした。もう少し具体的にお話いただけますか。
分からないまま進んでしまうことは避けたいです。
質問3についてです。
CC:びっくりしたんですね。
上記箇所をこう修正するといいのではないでしょうか。
CC:授乳室がつい立で囲っただけの場所だったんですね。
CL:そうなんです、つい立だけで。
CC:その時どんなお気持ちでした。
CL:とても恥ずかしくって
CC:とても恥ずかしかったんですね。
コンサルタントの感想、勝手な解釈はカウンセリングプロセスでは原則としてダメですね。
事柄、気持ちにフォーカスする基本技法をいつも頭に置いて進みましょう。