一人でできる面接対策4
前回は主訴の確認と沈黙への対応についてお話しました。
沈黙は、焦らず落ち着いてしばらく待つ、変化がなければ要約する、この二つでした。
本日は主訴の確認で重要となる要約について考えましょう。
主訴の確認は要約技法を使ってクライアントの話したことをわかりやすくまとめて伝えます。クライアントが話したキーワード、クライアントの感情をあらわす言葉はクライアントが使ったそのままの単語を使い伝えます。
コンサルタントの要約に対して、コンサルタントの理解とクライアントの話にズレがなければ、クライアントは「その通りです」と答えるでしょう。クライアントから要約の内容に同意する返事が確認できれば、次の場面に移ることになります。
一方、コンサルタントの要約を聞いたクライアントから「それは違います」と返されることがあります。間違いやズレはあるものですから、あれば修正してあらためるだけです。
ここで間違った理解をしていたと焦ることはありません。
要約はクライアントの話を聞いたコンサルタントの内容理解の確認です。間違っていなければそれで構いませんが、違っていれば、その箇所を修正して再度クライアントに確認してください。大事なことはコンサルタントとして理解した内容、もちろん修正した内容も必ずクライアントに確認することです。
要約の目的は何でしょうか。
コンサルタントとクライアントの理解を一致させることです。要約に限りませんが、コンサルタントとして理解したことをクライアントに伝えることでコンサルタントとクライアントの理解にズレがあれば修正できます。
自分では理解できたと思っていても勝手な思い込みをしていたり、気持ちにズレがあることが多いです。
ここで私の面接での体験をお話します。
クライアントは妊娠を機に退職したものの第1子誕生後就職しようと活動していたときの話です。
CL:まだ子どもが小さいので一緒にハローワークに行ったのですが、子どもがグズってミルクを飲ませようと思ったんです。
CC:お子さんがグズってしまって・・・
CL:ハローワークの職員に授乳室を訪ねて案内された場所が、フロアの一角をつい立てで囲っただけのもので・・・、でも子どもが泣き出すものですから、その場所で授乳することにしましたが・・・
CC:びっくりしたんですね。
CL:・・・それは違います。
ごく短いやりとりですが、感情への応答についてのいい例だと思います。
ここで皆さんに3つ質問します。
1 コンサルタントの応答について、どう思いますか。
2 このあとコンサルタントは何と話せばいいでしょうか。
3 このやりとりを修正できればどこをどう修正しますか。
どうでしょうか。
解答は次回お話します。
じっくり考えてみてください。