一人でできる面接対策8 賞賛技法
皆さん、こんにちは。
前回は逐語訳CC5までお話しました。
本日はその続きを紹介しましょう。
CC6:勉強に専念していたとお聞きしていましたが、アルバイトの経験はありませんか?
CL4:アルバイトをする時間がなくて、経験はないんです。
CC7:アルバイトをする時間がなかったんですね。わかりました。
CC8:アルバイト以外に、例えばボランティアなど、社会と関わった経験はありませんか?
CL5:大学3年の夏休みの約1カ月、科学館で小学生自由研究教室のボランティアをした経験はあります。その時は、子どもたちの歓声や嬉しそうな顔を見ると、とてもやりがいがありました。
CC9:ボランティアでたくさんの子ども達を喜ばせたことは素晴らしい体験でしたね。
それでは解説します。
今回紹介している逐語訳は全体のほんの一部で、前提となる導入、傾聴段階は詳しくお話していません。
クライアントは大学院に進学するか就職するか迷って相談に来ています。
傾聴段階でこう話しています。
大学生活では勉学に励み仕事の経験がほとんどない。
就職については、仕事の経験がないので自信がない。
CC6について、上記前提がありこのコンサルタントの質問になります。
このクライアントの主訴は大学院に進学するか就職するかです。コンサルタントは次の点を明らかにしてクライアントに考えてもらうことが必要です。
・大学院に進学したい気持ち、理由
・大学院に進学しない気持ち、理由
・就職したい気持ち、理由
・就職しない気持ち、理由
これらを具体的に話してもらうことで、クライアントの自己理解が深まります。
そして、本当の希望と、その希望を逡巡させることにはついてさらに考えていくことになります。
CC6は、就職をためらう気持ち、理由を質問により明らかにしようとしています。
CC8は、CC6以降のアルバイトの経験もないとわかり、間接的でもいいので何か就業に関わる経験がないかと考えての質問です。
このような例は珍しくありません。
若年者などの面接では仕事の経験がない方は多いと思いますし、仕事の経験は正社員や契約社員のことと思っている方もいます。アルバイトの経験はないか確認は必要ですし、ボランティアについて聞いてみると、実はアルバイトだったということもあります。
それでもない時はどうします?
クライアントに考えてもらってもいいでしょう。
CC:仕事の経験がないということですが、お金はもらってなくても社会や人のために何か活動したことはありませんか?
CC9は、ボランティアというキーワードを使い人のために取り組んだ話を聞くことができました。
クライアントからせっかく頑張った話を聞けたのですから、それに対するコンサルタントの応答は事柄や気持ちの繰り返しでは寂しいですね。
1カ月も、お金ももらわず、子どもたちのために夏休みの自由研究のお手伝いをしたのですから是非賞賛技法で応えて欲しいです。
面接において、賞賛技法を発動するチャンスはあっても1回です。
少し大げさでも結構です。
迷わずクライアントを心から賞賛してください。
筆記試験まで3週間。
風邪、インフルエンザには気をつけて頑張りましょう。