面接の基本1 非言語
皆さんこんにちは。
本日から面接の基本についてお話します。
第1弾は「傾聴」です。
面接の前半、導入段階の次は傾聴によりクライアントの来談の目的、いわゆる主訴の把握になります。
ここでは、積極的な傾聴により、クライアントから信頼(自分のことを真剣に聞いたくれる人)を得ることが大事です。
ひたすら傾聴に徹するようにと指導されることもあるようですが、それでは目的、即ち主訴の把握が難しくなる場合があります。消極的傾聴は、ある面ではクライアントの自己洞察の邪魔をしないことにつながりますが、限られた面接時間ではリスクが大きいと思います。傾聴に徹し過ぎて、話すことがなくなり身動きが取れなくなってしまうことがないように準備しましょう。
さて、ここでは、傾聴段階での最重要スキル「受容」についてお話します。
受容とは、言語的、非言語的にクライアントを承認することにほかなりません。さてここで、人が相手に何か意図を伝えるとき、言葉(話の内容)、聴覚情報(声の調子や大きさ、話し方)、視覚情報(表情や服装、姿勢)の3つで100%を伝えるとすると、それぞれをどのくらいの比率で使っていると思いますか?アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの研究によると、言葉が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%というものでした。つまり、ノンバーバル(非言語的な要素)が93%を占めるのです。これは、親が子供に対し「怒らないから、正直に言いなさい!」と話しかけるとき、子供は、言葉では怒らないといっていても、その声の調子や態度を読み取って「お母さん、怒ってる」と判断するような状況を思い浮かべると納得感があるかと思います。
このことが示唆するのは、私達は、言語と非言語が一致しない時は、非言語の情報を優先して受け取るということです。ですから非言語がより大事なのです。面接評価に「態度」があることでもその重要性がわかると思います。
ここで非言語スキルのポイントを挙げます。
・表情
・座り方、姿勢
・あいづち、うなづき
・話すスピード、テンポ
・声の大きさ
表情は、ほほの力を抜いて、暖かく見守る気持ちでクライアントを迎えます。本番は緊張しますから、小さな子どもと話す感じでちょうどいいです。姿勢は椅子には深く座らず、少し前かがみにします。深く背もたれに座ると偉そうに見えてダメです。
あいづち、うなづきは非言語ですが、「はい、ええ、うん」とセットです。あいづちの動作だけよりもセットのほうがいいですね。クライアントが話している時はクライアントの話に軽くかぶせる感じです。
話すスピード、テンポはクライアントに合わせていきます。普段早口の人は特に意識してください。
そして、話すスピードに合わせて声の大きさ、強さも意識して合わせていきます。
そうすると息が合うというか、お互いの会話が噛み合ってくるのです。 その時、クライアントはコンサルタントはよく話を聞いてくれていると感じています。
ロールプレイが苦手な方、自信がない方、一度ロールプレイでは、今日お話した非言語スキルを特に意識して取り組んでみてみるといいでしょう。ほかのことは考えず非言語スキルに集中するくらいで。
面接が苦手な方はこの非言語スキルを自然に使いこなしていないと感じます。多くの方は言語的な対応をどうするかばかり考え、非言語の応答が不足している、物足りないと思います。
仲間とロールプレイをするときはこの非言語にフォーカスして練習してみてください。また、仲間の観察をするときは是非この非言語を注意して見てください。
そして必ずフィードバックをもらってください。
うまくできなかった箇所は次回意識して取り組む。
そうすることで、きっと手ごたえを得ることができるはずです。
それでは次回をご期待ください。