読んで面接合格③④逐語事例
前回までのおさらいです。
読むだけで面接力アップ④までお話しました。
①ゆっくり話す
②椅子に座る姿勢に気をつける
③傾聴の基本うなずきとあいづち
④繰り返しはテンポよく
本日は③④の復習を兼ねて会話事例でポイントを具体的に説明しましょう。
カウンセリングにおける「うなずき、あいづち」の効果は何でしたか?
うなずき、あいづちには、「あなたの話を聴いていますよ。」とか、
「あなたの話を受け止めていますよ」と、
クライアントに伝える効果があるでしたね。
面接の導入後すぐに傾聴段階に入ります(7つのポイントで苦手を克服①②事例参照)が、この段階では、積極的傾聴により、クライアントから信頼を得ることが大事です。
そこで、ポイントとなる技法が、あいづちと単語の繰り返しです。
短い繰り返し(単語の繰り返し)のポイントは2つです。
⑴感情表現はかならず
⑵キーワードに対して
逐語訳で見てみましょう。
CC:今日はどのようなご相談ですか?
CL:はい、私は大学4年生で、今までずっと大学院進学を目指して勉強して来たんです。
CC:はい、はい・・・ 大学院を・・
CL:大学院受験の願書も提出はしたんですが、最近すごく迷うんです。
CC:ええ、ええ・・・はい、はい 迷うんですね・・
短い繰り返しは、あいづちの単語版と考えてください。
だから、かぶせてタイミングよくです。
また、その意味合いは、コンサルタント自身が理解しましたよ、とクライアントに伝える感じです。
この段階で、クライアントの言ったことの要約は難しいです。
切れ目がなかったり、無理に入れると不自然になることがよくあります。
だから単語の繰り返しは大変有効です。
これらは、クライアントの話にかぶせて行うので、軽くタイミングよくが基本です。
かぶせてタイミングよくとは、クライアントの話が終わって、コンサルタントが応答を始めるのではありません。
クライアントが話しているときに、あいづちを打ちながらキーワードをクライアントの話に重ねる感じです。
クライアントの話にコンサルタントがことばをかぶせる訳ですから、声は小さめとなります。
面接前半の傾聴段階は、クライアントが主訴を話す段階にあたります。
即ち、クライアントが相談に来た理由を話す場面ですから、クライアントの話が長くなったり、話の切れ目がなかったりします。
そんな時に、クライアントの一文一文にコンサルタントが事柄の応答や感情の応答をすることは難しいと思います。
しかし、かと言って、ただ聞いているだけですと、コンサルタントは積極的に傾聴しているのか疑問が残ります。
だから、あいづちとキーワードをセットでクライアントの話にかぶせていくのです。
この技法は慣れないと不自然になりますので是非練習し習得してください。
この技法が自然にできると面接前半は合格と言えるでしょう。
読んで面接合格④繰り返しはテンポよく
7つ面接合格のポイント④は、「繰り返しはテンポよく」です。
繰り返しは相手の言ったことを繰り返すことです。
繰り返しともリフレインとも言います。
傾聴の基本スキルの1つです。
相手の言ったことを繰り返すといっても、クライアントが話したことをそのまま繰り返すわけにいきませんから、ある言葉を取り出して繰り返すことになります。
繰り返しをすることで次のようなメッセージがクライアントに届きます。
「あなたの話を聴いていますよ」
「あなたの話を理解していますよ」
ここで大事なことはクライアントの話からどのことばを繰り返すかです。
何でもいい訳ではありません。
クライアントの話の中で重要と思われることばをテンポよく繰り返します。
単語の繰り返しのポイントは2つです。
⑴感情表現はかならず
⑵キーワードに対して
即ち、感情表現があれば、そのことばを繰り返します。
クライアントが話した感情を表すことばをそのことばのまま繰り返します。
感情表現が無ければ、クライアントの話のキーワードを繰り返します。
対話例を挙げましょう。
CL: Aさんから帰り間際に自分の仕事を押しつけられてむかついて
CC: むかついたんですね
コンサルタントが繰り返すことによってクライアントはその言葉を聞きます。
それにより、クライアントは、腹が立った気持ちやそのときの感覚が思い出します。
そして、自分の感情に意識が向かい、そのときの感情をさらに話すかもしれません。
ここで忘れがちなのが、必ず同じことばを使うということです。
同じことばでないことばをクライアントに返すとどうなるでしょう。
「このコンサルタントは私のことをわかってくれていない」
「話が噛み合わない」
クライアントはこう思うかもしれません。
これでは傾聴段階の合格基準は満たすことができません。
「繰り返しの2つのポイント」を自然にできるように練習してください。
「繰り返し」の練習はロールプレイの相手がいなくても練習できます。
テレビ番組でも練習できます。
ニュースも悪くはありませんが、感情表現が少ないですので、トーク番組をおすすめします。
一文話すたびに、感情表現やキーワードを返してみてください。
まずは相手の話のテンポに慣れることが大事です。
話し終わるとテンポよく返してみてください。
面接試験前半のポイントは何でしょうか?
クライアントの信頼を得ることです。
これは導入後の傾聴段階での目標になります。
そして傾聴技法は面接試験では必須です。
この傾聴段階ではクライアントの話を積極的な傾聴により聞いていきます。
そして、自分のことを真剣に聞いてくれる人と思ってもらうこと(信頼を得ること)が大事です。
ロールプレイ勉強会で感じるのは、結構傾聴基本技法ができていない方が多いことです。
ひとりでも練習できます。
是非やってみてください。
次回は読むだけで面接力アップ③④を具体的にお話ししましょう。
読んで面接合格 ③うなずきとあいづち
読むだけで面接力アップ③は「傾聴の基本うなずきとあいづち」です。
「うなずき」や「はい」「えー」のような「あいづち」は、クライエントの話の流れを妨げず、クライエントを尊重し、注意深く話を聞いていく受容的態度を示します。
簡単受容はクライエントに対する眼差し、応答のアクセント、身ぶりなど、カウンセラーの非言語的表現が加えられることで、カウンセリングすべての場面で活用出来ます。
③-1 うなずき
傾聴のスキルの1つで、相手の話にうなずくことです。
うなずくことで、クライアントに「あなたの話を聞いてますよ」というメッセージを送ることになります。
クライアントの話すテンポに合わせてうなずきます。
そうすることで、クライアントに「このコンサルタントは私の話を聞いてくれている」と安心感を与えます。
ちゃんと相手の話を聞いていないと、話に合わせてうなずくことはできませんので、自ずとしっかり相手の話を聴くことにつながります。
あいづち
傾聴のスキルの1つで、クライアントの話に相槌をうつことです。
「はい」「ええ」「うん」「そうですね」など、あいづちのうち方はいろいろあります。
あいづちによって、相手の話や気持ちを受けとめることになります。
相手は「自分の話を聞いてもらっているな」「話をしていいんだな」といった気持ちになります。
うなずきやあいづちは簡単受容とも言われます。
本番の面接時間は15分間です。
たった15分間で相談はどこまで進むでしょうか?
ほとんどの方が、場面設定、導入段階、傾聴、主訴の確認までで15分間の大部分を費やすのではないでしょうか。
そうすると15分間で重要になる技法は傾聴の基本技法ということになります。
本日お話した簡単受容(うなずき、あいづち)は、傾聴技法の基本の基本です。
この簡単受容は簡単と書かれていますが、違和感なく面接で発揮するにはコツがあります。
次回は、読むだけで面接力アップ④をご紹介します。
4つ目も傾聴技法の基本の基本といえるものです。
そして、本日のポイント③とポイント④を面接事例で解説します。
読んで面接合格①②逐語訳事例
前回まで「読むだけで面接力アップ①、②」を説明しました。
ポイント① 「ゆっくり話す」
ポイント② 「椅子に座る姿勢に気をつける」
ポイント①②は、面接冒頭で意識して初めてください。
最初に波に乗ると15分間うまくいくものです。
最初が肝心ですよ。
本日はポイント①、ポイント②を相談事例で説明します。
場面は面接の導入段階です。
CC1:はじめまして、キャリアコンサルタントの○○です。
CL1:△△です。よろしくお願いします。
CC2:△△さんですね。今日はよくいらっしゃいました。
※CC:キャリアコンサルタント
※CL:クライアント
早速解説します。
ポイント①「ゆっくり話す」を意識して始めます。
そして、ここで重要なポイントです。
冒頭のCC1コンサルタントのあいさつに対して、CC2クライアントが自分の名前を名乗ったら、CC3必ず名前を呼んで応答しましょう。
名前で呼ぶ呼ばないは大違いです。
面接導入段階はクライアントとの信頼関係構築が最大のポイントになります。
細かいことですが、面接試験は積み重ねですから、加点できる箇所はもらっていきましょう。
さて、CC2の後に以下追加してもいいです。
CC3:座る位置はそちらで構いませんか?
CL2:はい、大丈夫です。
ここは面接の導入部分ですのでこういう心遣いは有効です。
ここで、クライアントの座る位置を気遣ったのですから、自分自身の椅子の座り方にも気をつけます。
→ポイント②椅子に座る姿勢に気をつける
椅子に深々とは座らず、背もたれを使うと踏ん反り返った印象を与える場合がありますので気をつけください。
背筋をまっすぐ伸ばし過ぎると威圧感がありますので、若干前かがみの姿勢がいいでしょう。
本番は緊張のせいかいつもより早口になる方が多いはずです。ゆっくり、ゆっくりを心がけます。
→ポイント① ゆっくり話す
そして肩の力を抜いて始めます。
このあと守秘義務について説明してもいいでしょう。
CC4:キャリアコンサルタントには守秘義務がありますから、安心して何でもご相談ください。
CL3:はい、わかりました。
本日説明しました場面設定のキャリアコンサルタントやりとりは事前に準備しておきます。
クライアントを想定して練習するといいでしょう。
ただし、試験会場で場面設定は省略することが伝えられた場合は早速始めることになります。
その場合は、CC2の後CC5の応答になります。
CC5:今日はどのようなご相談ですか?
そして、傾聴段階が始まります。
ポイント①②を事例でおさらいしました。
併せて、冒頭の導入段階の模範例も説明しました。
読んで面接合格②「姿勢」
前回お話しました読むだけで面接力アップ①は、「ゆっくり話す」でした。
「ゆっくり話す」は一見簡単に思いますが、難しいのです。
面接の冒頭は「ゆっくり話す」に意識が集中しているからいいですが、15分間続けることが難しいのです。
7つのポイント勉強会でこの「ゆっくり話す」は最初に取り組みますが、皆さんついいつもの癖が出てしまいます。
何度も練習してからだで覚えてもらっています。
さて、「ゆっくり話す」をロールプレイで意識してやってもらうと必ず質問されることがあります。
「ゆっくり過ぎないですか?」
「クライアントが早口だとどうするんですか?」
どちらの質問にもこう回答しています。
「少し遅いと感じるスピードがいいと思います。引き続き「ゆっくり話す」を意識して練習しましょう。」
また、クライアントが早口だからといってコンサルタントも早口で話すとどうなりますか?
早口のクライアントにもゆっくり話して、落ち着いて話してもらうこともコンサルタントとしては大事なことです。
皆さん、心配しないでゆっくり話しましょう!
少し私のセミナーの話をします。
面接が苦手な方が参加する私のセミナーの様子です。
セミナーに参加した時は、早口、声が小さい、会話が中断してしまう方がほとんどです。
しかし、「ゆっくり話す」を何度も何度も練習すると見違える姿になります。
「ゆっくり話す」ことで、話すスピードはもちろん、声の大きさ、会話のリズムが格段に良くなり、会話の立ち往生は見られなくなります。
セミナー最初の自分とセミナー終盤の自分を動画で比べてもらっています。
皆さんその違いに声を漏らしますよ。
私のセミナー受講者は「ゆっくり話す」を練習して、大の苦手の面接で合格しています。
「ゆっくり話す」は7つのポイントの筆頭に挙げたのはそんな理由からです。
さて、読むだけで面接力アップ2つ目からは傾聴スキルが登場します。
読むだけで面接力アップ2つ目をお話する前に傾聴についておさらいをしましょう。
傾聴とは、「傾けて聴く」と書くように、心を傾けてしっかりと聴くということです。
クライアントの話を聴く時に大切なことです。
心を傾けて聴こうとすると、自ずと体も傾けて聴こうという姿勢になります。
椅子に深く座って背もたれに寄りかかる姿勢は✖️です。
椅子に深々とは座らず、背もたれを使うと踏ん反り返った印象を与える場合がありますので気をつけください。
背筋をまっすぐ伸ばし過ぎると威圧感がありますので、若干前かがみの姿勢がいいでしょう。
読むだけで面接力アップ②は、「椅子に座る姿勢に気をつける」です。
そんなこと?
そう思う方いませんか?
あまり座り方を重要なポイントにして指導をする団体はあまりないと思います。
しかし、傾聴の姿勢を型として身につけると傾聴スキルも自然に出てくるものです。
そして何よりも、面接が苦手な方は、決まった型を学び実践することで、あがりから解放されて良い結果が出るものです。
これは傾聴スキルと言うよりは、傾聴姿勢です。
前回と今回の7ポイント①と②は面接を開始する時に気をつけるポイントです。
次回は、これまでお話しした読むだけで面接力アップ①②を逐語訳を例に説明します。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
読んで面接合格 ①「ゆっくり話す」
キャリアコンサルタント試験の面接が苦手な方本当に多いですね。
私もそうでした。
私はあがり症でしたから、それは酷いものでした。
極度のあがり症でもポイントをマスターすれば必ず合格できます。
今回から、「読むだけで面接力アップ」と題して面接が苦手な方に実技試験で合格する方法をお伝えします。
第1ポイントは、「ゆっくり話す」です。
私達は、あがったり、慌ててしまうと、つい早口になってしまいます。
普段話すスピードが遅い人でも面接本番ではいつもより早口になってしまいます。
ロールプレーではこのことを強く意識してゆっくり話してください。
意識してゆっくり話すくらいが本番はちょうどいい速さになると思います。
「ゆっくり話す」効果はたくさんあります。
1 コンサルタントの発言がクライアントにはっきり通じます。
カウンセリングの基本となるコミュニケーションが成立します。
早口だとクライアントがコンサルタントの話を聴き取れず、話が噛み合わない、会話が立ち往生してしまうことにつながります。
カウンセリングですから、少なくとも話す内容は伝わらないといけません。
話が伝わらないと当然減点です。
2 気持ちが落ち着いて、あがりが次第になくなります。→「ゆっくり話す」は、最大のあがり克服術です。
ゆっくり話すことを意識すると、次第に緊張がほぐれます。
これは本当です。
あがり克服レッスンを受けた方のほとんどがそう言います。
あがりのメカニズムについて説明しましょう。
あがることに意識が集中すると一層あがってしまいます。
大事な試験だと誰でもあがります。
あがらないで話すことは不可能です。
あがりながらも、面接でクライアントの話に集中する。
クライアントにゆっくり話す。
これを実践することであがりを乗り越えられるのです。
同じロールプレイを
早口で話す。
ゆっくり話す。
これを人前で実際にやってみると違いが実感できるはずです。
3 落ち着いて見えます。
「ゆっくり話す」→「気持ちが落ち着く」→「落ち着いて見える。冷静、余裕がある。」
実際は少しあがっいても、クライアントや試験官からは「冷静」、「余裕がある」、「落ち着いている」と判断されます。
ゆっくり話すと、試験項目「態度」で加点されるでしょう。
早口で減点されることはありますが、ゆっくり話してそうなることはほとんどないと思います。
「ゆっくり話す」を練習する。
苦手な方は何度も何度も練習する。
「ゆっくり話す」ができるようになれば合格まであと1歩です。
面接が苦手な方は「ゆっくり話す」を何度も練習して欲しいと思います。
でもこの「ゆっくり話す」練習は簡単なようでなかなか難しい。
一人では「ゆっくり話す」ができているか良くわからないのです。
次回は読むだけで面接力アップ②をお話しします。
面接5点アップ!〜ここを気をつけて
第14回国家試験まで2カ月を切りました。
ここからは基本を繰り返すことが合格につながります。
当たり前のことを練習するのです・。
本日は面接上達のコツについてお話します。
面接対策と言えばロールプレイ。ロールプレイは面接対策として皆さんが最も取り組んでいる学習方法だと思います。
本番さながらのロールプレイ勉強会での指導者や参加メンバーからのフィードバックは貴重な体験です。よく出来た点、改善したい点など色んな気付きを与えてくれます。
自分のロールプレイ以外にも参加者のそれを観察できることも非常に勉強になります。
半日や丸一日を費やして参加するのですから、自分の、また自分以外の方のロールプレイで気付いたことは自分のものにしてほしいですね。そうすることで面接力はアップします。
自分のものにする、とはどういうことでしょうか。
気付きを気付きで終わらせない。
気付いたことをできるようにすることです。
面接は技術です。
頭でわかっていてもそれが出来るとは限りません。わかると出来るは別ものです。
それではどうしたらいいでしょうか。
ロールプレイで気付いたことを実際にやってみることです。わかったつもりはいけません。
例をあげましょう。
数学の授業で先生の説明を聞いてわかってもそれだけでは問題は解けません。授業では説明の後簡単な練習問題をします。その後宿題で更に練習問題に取り組みますよね。
わかるをできるにすることが大事なのです。
いつも早口を指摘されているのになかなか早口が改善されない。これはロールプレイでよく見かける光景です。
それは長年早口がその人に染み付いているから克服することが難しいとも言えますが、方法はないのでしょうか。
一つ確実な方法があります。
それは、指摘されたその場で、同じ状況を再現して、出来るまで、また自分で納得できるまで、再度ロールプレイをやることで解決できます。
人間の記憶、印象、思考などすべて時間と共に急激に薄れていきます。
鉄は早いうちに打て、ということわざにもあるように、出来るだけ早くやってみることです。出来ることを自分自身で体感することです。
とは言っても、ロールプレイ勉強会で、同じ状況を再現することは容易ではありません。グループ皆んなのコンセンサスがないと難しいはずです。
それではどうしたらいいでしょうか。